2008年 PHS日本市場総括

京セラ黒澤担当記事

急成長する中国を象徴するかのように盛大に開催された北京五輪。その感動を忘れさせてしまうほど急速に、世界中に景気後退のニュースが飛び交った2008年。激動の2008年の日本におけるPHS市場を総括する。

サービス

日本では携帯電話各社が、同一キャリア内や家族間の通話無料プランを相次いで打ち出したが、通話先や通話時間帯に制限が設けられている為、ウィルコムが2005年から実施している「ウィルコム定額プラン」による24時間PHS同士は通話無料というサービスには及ばない。ウィルコムは、携帯電話を持ちながら、グループ間通話用のPHSを持つというダブルフォルダーの需要を喚起した。

学生などの若い世代で、携帯電話とPHSを2台持っていることは決して珍しくない。グループ間での利用を更に便利にする為に、最大7名が同時に会話できる「ウィルコムミーティング」というサービスも開始した。その他にも、対応端末同士で手描きの文字や絵、写真を、離れた場所にいる相手とでもリアルタイムにやりとりできる「手書きチャット」など、携帯電話の他キャリアには無い、新しいサービスを打ち出し、若い世代を中心に人気を集めている。
IV
データ通信においては、携帯電話各社がCDMA Rev.AやHSDPAによる3Mbpsを超える高速データ通信サービスを続々と開始する中、ウィルコムは新たに最大800kbpsの高速データ通信のサービスWOAM Type Gを開始した。スペック上は劣っているが、実行速度上では、マイクロセルを採用するウィルコムのサービスは遜色なく使える。ウィルコムは、2009年にXGP規格を採用したWILLCOM COREという新しいサービスを開始する予定であり、日本におけるデータ通信市場は更に競争が激化しそうだ。

端末

2008年に日本で発売されたPHS端末で一番売れた機種は、春に発売された京セラのHONEYBEEだ。スタイリッシュなスリムデザインと5色のカラーバリエーション市場で高く評価された。また、9.9mmのスリムデザインは、日本のPHS需要である2台目端末のニーズにも合致したと言える。11月にはカメラを付けたHONEYBEE2という後継機種を発売し、こちらの販売も好調だ。
V
京セラ HONEYBEE

ウィルコムでは、スマートフォン「WILLCOM 03」とUMPC(Ultra Mobile PC)「WILLCOM D4」という新しいカテゴリの端末も発売している。“WILLCOM D4”は、マイクロソフト最新のオペレーティングシステムWindows Vista®を採用し、幅広いアプリケーションソフトやインターネットサービスへの対応を実現するとともに、優れたモバイル性能と低消費電力を可能とするインテルのインテル® Centrino® Atom™プロセッサー・テクノロジーを搭載した世界初※1の通信端末。3Wayスタイルを採用。キーボードを閉じたViewスタイル、キーボードをスライドさせたInputスタイル、さらに画面をチルトしてノートパソコンのように操作するDeskスタイルにより、家庭やオフィス、モバイルなど様々な利用シーンに応じたスタイルで活用可能となっている。
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WILLCOM D4

WILLCOM 03は液晶面に操作ボタンの凹凸が無い、フルフラット・サーフェースを採用し、美しさを高めるとともに、新しく採用したイルミネーションタッチにより、スマートな使いやすさを実現したスマートフォン。ワンセグチューナーを内蔵し、手軽にデジタルTVを視聴することもできます。オペレーティングシステム(OS)には、マイクロソフト株式会社のモバイルデバイス向の最新プラットフォーム、Microsoft® Windows Mobile® 6.1 Classic 日本語版を採用しており、日本ではWindows Mobile 6.1を搭載する初の端末でした。
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WILLCOM 03

日本の携帯電話各社は1年間に3回(春・夏・冬)に数社のモデルを一斉にリリースする傾向があり、この号が発刊される頃に発表される2009年春モデルが待ち遠しい限りである。

まとめ

2008年、日本におけるPHSは音声端末市場では健闘したが、データ通信市場において、新規参入業者の攻勢により、苦戦を強いられた。HSDPAのスペック上の通信速度の速さと新規加入時にミニPCが無料同然で手に入るというプロモーションに太刀打ちできなかった。しかし、2009年、ウィルコムは待望のXGP規格を採用したWILLCOM COREという新しいサービスを開始する予定である。従来のPHSの良さであるマイクロセルを継承し、新技術を取り入れたXGPのサービス開始時の通信速度は最大20Mbpsと言われているが、市場の支持を獲得するには、魅力あるサービスと新しいアプリケーションを低コストで実現することが不可欠である。XGPの競合システムであるWiMAX方式のサービスも開始される予定であり、2009年、日本におけるデータ通信市場は新しい時代を迎える。